中小企業の節税対策は審査に不利-赤字決済でも利用できる資金調達法はある?

中小企業の節税対策

中小企業の節税対策は、適切なアドバイスをする税理士に相談することと経費などを有効活用する2点が重要です。
決算上の利益を少なくすることが節税の基本ですが、決算で相応の黒字を出していないと銀行融資などの資金調達が不利になるデメリットが発生します。
こうした節税と資金調達の折り合いで悩んでいる方に役立つテクニックも紹介しているので、企業の節税対策と資金繰り対策にお役立てください。

 

税理士からのサポートが重要

法人の税制は複雑なルールになっていて、経営者がどれだけ勉強しても常に最適な判断をすることが困難です。
特に重要になるのが、一定の売上・利益を境に税率が変わるポイントの見極めです。

 

スーツ姿の男性

一例として、税率が変わる基準をギリギリ超えてしまう場合は、10万円相当の経費を使うことで税負担が20万円以上少なくなるシチュエーションがあります。
こうしたギリギリのラインで税率が有利・不利になるポイントを教えてくれる税理士と顧問契約しましょう。
売上が大きくなってきたら、契約内容や税理士の選定を見直してみてください。

 

利益を少なくする

中小企業が節税する基本が、経費などの出費を増やして利益を少なくすることです。
出費を増やして利益を増やす方法は以下のものがあります。

 

  • 事務用品や商売道具などで経費計上
  • コンサル会社や社員研修を利用
  • 接待交際費や会議費を増やす(接待交際費は基本的に年800万円まで)
  • 今より環境が良い場所へ移転する
  • 車などの減価償却資産を買う
  • 棚卸資産を増やす
  • 従業員に還元(賞与や社員旅行など)

 

利益が出ている会社の場合、車など資産に残るものや業務効率および品質が高まるもので経費を使う方法や、社員へ還元してモチベーションアップをさせる使い方が人気です。
会社が儲かっているのに、経営者や役員の飲食代や社用車の購入だけで税金対策すると、従業員のモチベーションが下がってしまうことがあるので注意しましょう。
節税する際は税制面のことや決算上の利益だけではなく、お金を使うことによって得られる効果を考えることが大切です。

 

資金調達への影響

中小企業が節税する定番の方法は出費を増やして利益を少なくすることで、実際には利益が出ている中で赤字決算にする事例も多く見られます。
決算上の利益と税負担は連動しますが、節税しすぎて決算内容が悪くなると、何かあった際に銀行融資やビジネスローンの審査に通らない問題が出てきます。
各種融資は直近の決算が黒字であることが求められ、厳しい金融機関では直近2~3期の決算内容を考慮します。

 

黒字決算であれば融資を受けるチャンスがありますが、利益の大きさに連動して融資上限額が変わってくることを理解しておきましょう。
将来的な事業投資を検討している場合は、無理に節税せずに決算の数字をよく見せる方法を検討してみてください。
節税と資金調達を併用したい方は以下の対処法があります。

 

カードローンの活用

クレジットカード

中小企業など事業者が使えるカードローンを用意する貸金業者が増えています。
景気が良いタイミングで限度額の高いカードローンを作っておけば、その後は節税を目的に赤字決算になっても資金調達できます。

 

このほか、景気が良いタイミングでクレジットカードの新規申込もしくは限度額の増額を行い、資金がショートした際に必要な備品を後払いになるカード決済で購入して現金を手元に残す方法があります。

 

ファクタリング

銀行融資やビジネスローンの貸付サービスは決算内容を重視した審査が行われますが、売掛金を買取するファクタリングは赤字決算でも利用できるケースがあります。
売掛金が多く短期的な資金調達が多い場合は、何かあった際にファクタリングで対処すると割り切って徹底的に節税対策する活用法が人気です。
ファクタリングは融資よりも高額な手数料を取られますが、節税対策と併用することでコスト面のメリットを得られることがあります。

 

参考記事:資金繰りをスムーズにするファクタリング

ページの先頭へ戻る